【アスペルガーは忘れっぽい?】秒単位の記憶が苦手で社会で苦労する

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この記事は発達障害児の保育経験があり、社会福祉主事任用資格を保持した保育士が執筆しています。

こんにちは、現役保育士です。

忘れっぽい発達障害といえば注意欠陥多動性障害(ADHD)を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、アスペルガー症候群に関しても【忘れっぽい】という特徴があります。

これは子供だけでなく、大人でも同じことが言えますね。

この記事ではアスペルガーが忘れっぽいと言われている原因や、社会での生き方、一時記憶の鍛え方について解説していきます。

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アスペルガーは忘れっぽい?

私が学童保育所の職員として働いていた頃、 かなり忘れっぽい子供がいたことを覚えています。

その子はアスペルガー症候群を抱えている発達障害児であり、日頃から注意深く観察していたのですが何の障害も持たない健常児と比べて、言葉で話した内容や、宿題で出た問題の内容を覚えることができないのです。

その子はあくまでもアスペルガー症候群であり。 ADHD や学習障害の発達障害を抱えていないので記憶力はそこまで悪くないはずです。

初めのうちは性格的に物忘れが激しい方なのかな?と思っていたのですが、 アスペルガー症候群に関する研修に参加した時にその考えは間違いだと気づきました。

どうやらアスペルガー症候群も学習障害や注意欠陥と同じように忘れっぽいという特徴を持っているようなのです。

どうりで周りの子供達と比べて物忘れが激しかったと思いました。

忘れっぽい原因

それではなぜアスペルガー症候群を抱えた人が忘れっぽいのか具体的な原因を解説していきます。

一時記憶

皆さんは一時記憶(短期記憶)という言葉を知っていますか?

人間の記憶には大きく分けると長期記憶と一時記憶の2種類があります。

長期記憶とは小さかった頃の思い出や、毎日の生活の中で自然と身についた記憶のことを指します。

一時記憶(短期記憶)とは、突発的に起こった物事の内容 、分単位や秒単位で情報を処理している記憶のことです。

講演で聞いた内容の中に、アスペルガー症候群を抱えた人はこの一時記憶がとても苦手だという話がありました。

呼び方は様々ですが「ワーキングメモリー」と言うこともあるそうです。

確かに学童でアスペルガー症候群を抱えていた子供は、家族構成や好きなアニメのキャラクター、前から遊んでいるお友達の名前などは健常児と同じように記憶できていますが、

その日のうちに母親が話した言葉の内容、先生と会話した内容などは全く記憶できていませんでした。

特に言葉に関しては、数分前に話した内容でさえ一生懸命考えても全く思い出せず、本人は周りの子供達が覚えているのが不思議に感じているようでした。

これは別に話を聞いているときに集中ができていないわけではなく、目を合わせながら

「これから話す言葉を聞いていてね。」と完璧に伝えて話した内容でさえ頭に入っていかないのです。

注意欠陥多動性障害( ADHD) とは違い注意力が散漫になるというわけではなく、覚えようと思っても覚えられない、どちらかと言うと学習障害に近いものかと思います。

要は本来人間が瞬時に記憶する内容を脳で処理することができないということですね。

たとえものすごく簡単な内容の言葉だったとしても、集中して聞いているのにも関わらず頭に入っていかないといのは、日常生活でも相当苦労していることだろうと思います。

というのも一時記憶というのは、誰もが覚えようとして覚えるものではなく無意識に自然と記憶している内容であることが多いので、細かい事で生活に支障をきたすことが多々ありますね。

一時記憶のことを知らない人にとっては「なんでこんな簡単なことも覚えられないの?」と思われがちなので、周りから理解されにくいという特徴もあります。

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アスペルガーは社会に出れない?

忘れっぽいアスペルガー症候群は社会に出れないのか?という話ですが結論から言うと出れないわけではないです。

というのも世の中にはアスペルガー症候群を抱えた人やADHD 学習障害を抱えた人でさえ、一般企業に勤めている人はたくさんいます。

なのでたとえ一時記憶ができない忘れっぽいアスペルガーでも就職することも出来ますし、収入により生計を立てることは十分可能です。

ただし問題なのは人間関係、円滑なコミュニケーションができないということです。

一時記憶ができないアスペルガー症候群を抱えている方は、 忘れっぽいという特徴から人間関係でトラブルを引き起こしやすくなると言えるでしょう。

先ほども話したように周りからは

「何でこんな簡単なことも覚えられないの?」

という印象を持たれてしまうので相手をイライラさせて浮いてしまい社内でも孤立してしまう可能性があります。

そうなるとその他にとって会社という場所が心地の良いものではなくなってしまうので、転職を繰り返しまともに働くことができないという可能性もあります。

なので出来れば、周りの人が発達障害(アスペルガー症候群)に対する理解が深い環境で仕事がする事で、忘れっぽいのはその人の責任ではなく、発達障害の症状なんだということを知ってもらえるため、居心地は良くなるかと思います。

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一時記憶を伸ばすには

最近の研究で、一時記憶(ワーキングメモリー)はストレスと大きな関係性があるということが判明しています。

どうやら日常的にストレスを感じている人の方が、一時記憶の容量が少なくなってしまい忘れっぽい脳になってしまう傾向があるそうです。

アスペルガー症候群を抱えている人は対人関係がうまくいかずストレスを感じることが多々あるのでそれが悪循環となってしまっているのですね。

やはりアスペルガー症候群を抱えている人が幸せになるためには、 ストレスを感じないような環境で過ごしつつ一時記憶の容量を増やしながら、徐々にステップアップする必要があるかと思います。

急に無理やり一時記憶を流そうと勉強をしたり新しい環境に身を置くのは【悪循環】に陥ってしまう可能性が高いのでお勧めしません。

まずは自分にはどんな環境が合っているのかを自覚することが重要になるかと思います。

以上、【アスペルガーは忘れっぽいのか】についての記事でした。

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