こんにちは、現役保育士です。
赤ちゃんの汗についてですが、軽く考えている人が多いような気がします。
保護者の方の多くはどちらかと言うと赤ちゃんに汗をかかせないよう配慮する事を重視していますが、正直それは危険だと言えます。
今回は赤ちゃんが汗をかかない事でどんな影響があるのかと、その対処法、発熱や病気との関連性について詳しく話していきます。
赤ちゃんが汗かかないと
赤ちゃんは汗をかかない方がいいと思っている方が多いですが、それは大きな間違いです。
確かに大人であれば、汗かく事はベタベタして気持ちが悪いし、出来れば快適な環境で過ごしたいと思うのが普通かもしれませんが、赤ちゃんの場合はそれを良い環境とは言えません。
というのも、そもそも赤ちゃんが汗かかないという事は体内に熱を抱え込んでいるという事なので、汗として体外に熱を放出しないと、どんどんと体温は上がっていきます。
それから服に汗が染み込まないというのも問題です。
本来服には、汗を染み込ませることでそれが冷えて体温を下げてくれる、体温調節の機能があるのですが、赤ちゃんが汗をかかないと服に汗は染み込まないので体温の調節が出来ません。
発熱がある場合には特に、赤ちゃんが汗かかないというのは危険に繋がると言えるでしょう。
発達に悪影響?
赤ちゃんが汗かかないという事自体も危険ですが、それはその場限りのことではありません。
赤ちゃんの発達という観点から見ても、汗をかかないという事は適切な成長の妨げにもなるので危険です。
どういう事かというと、汗をかかない環境で毎日過ごしてしまうと、赤ちゃんの汗腺という発汗を促す組織が発達しないので、将来も汗をかきにくい体質に成長してしまう恐れがあるという事です。
普通であれば暑い環境、特に夏場など、気温に合わせて汗をかく事で、徐々に汗腺の発達が促されるものですが、赤ちゃんの時に汗をかかないと、大人になっても暑い環境で汗をかかなくなってしまうのです。
汗腺というのは、3歳まで発達は続くといわれていますが、逆に言うと3歳までに汗腺の発達がされなければ、今後はもう成長しないという事です。
恐ろしい事ですが、これは事実で、現代は赤ちゃんの時に汗をかかなかった為に体感温度が上がっても自分で体温調節が出来ない子供が増えてきているようです。
そうならない為にも、3歳以下の赤ちゃんはどんどん汗ををかいて、環境に合わせた汗腺の発達を促すようにしましょう。
病気?
もし赤ちゃんが暑い環境であっても汗をかかないといった場合、病気の可能性はあるのかという話ですが、
赤ちゃんが汗をかかないという症状から考えられる病気は無汗症や乏汗症、無痛無汗症といった類のものですが、
これらにかかってしまうと病気への抵抗力が低くなってしまい、色んな合併症の危険があるばかりか、熱中症のリスクも高まります。
ただ、これらの病気は発症する事自体が先天性で極めて珍しいようです。
確実に無いとは言えませんが、病気を心配してもほとんどは赤ちゃんの体質が汗をかきにくいだけというケースが多いです。
しかし病気ではなく、赤ちゃんが汗をかきにくい体質というだけでも、汗をよくかく赤ちゃんよりも、熱中症になりやすかったり、体温調節ができなくて病気への抵抗力も低くなったりするので、危険な事には変わりありません。
夏場にはどんどんと熱が上がって、体温が知らない間に40度を越えていたりする事もあるので、注意が必要です。
汗かかない赤ちゃんに出来る事
赤ちゃんが汗かかないのであれば、保護者の方はなるべく3歳になる前に赤ちゃんに沢山汗をかかせるようコントロールしなくてはなりません。
汗をかかない原因が、クーラーにあるのでしたら、1日1回は少しの時間でも良いのでお散歩や外気浴をしたりなどして、汗をかく機会を設けてあげると良いです。
ただ、もし体質的に赤ちゃんが汗をかかないのであれば、無理して汗をかかせようと、暑い所に行くと、体温が上昇しがちなので注意してください。
外だけではなく、お風呂上りでも赤ちゃんは体温が上昇してしまう事もあります。
体温調節が未熟な赤ちゃんはたとえ病気でなくてもこういった事がよくあるので注意が必要です。
のぼせたように顔が赤くなったりした場合には、熱中症の可能性もありますので、水分を飲ませて濡れたタオルなんかで顔を拭いてあげると良いですね。
まとめ
赤ちゃんが汗かかないというのは、汗腺の発達が未熟な為なので、なるべく3歳になるまでに暑い経験を沢山させて汗をかかせるように促しましょう。
そうしないと汗腺の発達が適切でない状態で発達してしまい、身体的な成長が進んだ後でも体温調節が出来ないで身体の弱い大人になってしまいます。
ただ、体質的に赤ちゃんが汗をかかないようでしたら無理して汗をかかせようとするとどんどん体温が上昇して危険なので暑い環境に身を置くには適度にして体調管理を優先させましょう。
どちらにしても、赤ちゃんに対しては健康を一番に考え、保護者が適切な環境作りを作ってあげる事が一番重要になるかと思います。
以上、保育士の助言でした。