アスペルガーの会話の例とパターン|とんちんかんで成り立たない?

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この記事は発達障害児の保育経験があり、社会福祉主事任用資格を保持した保育士が執筆しています。

アスペルガー症候群を抱えた人は会話が成り立たないとよく言われていますが、具体的にどのような会話内容ですれ違いが起きてしまうのでしょうか?

今回は具体的な例を挙げてアスペルガー症候群の会話のパターンに注目して話していきたいと思います。

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アスペルガーの会話について

アスペルガー症候群を抱えた人は言葉の意味が理解できないと思われがちですが、実はそういう訳でもありません。

というのも、アスペルガー症候群を抱えていたとしても、言葉と言葉のつなぎ合わせや文章構成を認知する事は十分可能だからです。

それでは、なぜ実際に言葉を出して会話をしてみると噛み合わなくなってしまうのかと言うと、アスペルガーを抱えた人は相手の気持ちを理解することかできないからです。

本来会話というのは言葉のやり取りだけではなく、無意識に相手の気持ちを理解(予想)して脳内で確認作業を繰り返しています。

ただし、アスペルガーの人は相手の気持ちではなくその言葉に意識を集中してしまうため普通の人には伝わるであろうニュアンスが、通じなくなってしまうのだと思われます。

なんだかややこしいかもしれませんが、会話の具体例を挙げて解説していきます。

アスペルガーの会話例

ここからは、会社や学校、 家庭など様々な場面で考えられるアスペルガー症候群の会話例を乗せていきます。

言葉の裏の意味が分からない

上司「アスぺ君、明日までにこの書類を修正して部長に提出しておいてくれる?」

アスぺ「 はいわかりました。」

後日

「アスぺ君、この前渡した書類が提出されていないみたいだけど、どうしたの?」

「まだ提出していません」

「明日までに修正して部長に提出してって言ったでしょ?」

「はい修正しました」

「じゃあなんで提出していないの?」

「 いつ提出すれば良かったのですか?」

「 明日までって言ったでしょ?」

「はい、修正をしました。」

「提出も明日までって意味だよ。普通わかるよね?」

「すいませんでした・・・」

比喩表現が通じない

【家族でテレビを見ている時】

母親「 やっぱり東京は人が多いわね。」

アスぺ「そうだね。」

「まるで蜂の巣みたい。」

「?蜂の巣はもっと小さいよ。」

「そうじゃなくて人がいっぱいいると、蜂がうじゃうじゃいるように見えるでしょ?」

「でも人間は飛べないよ。色も黄色じゃないよ。」

「飛べるとか色とかっていう問題じゃなくて、建物が沢山あるのも蜂の巣の穴の中に住んでいる蜂に似ているって思わない?」

「・・・似てないよ。」

ストレートに伝える

友達「昨日の金曜ロードショー面白かったよね。」

アスぺ「どこが面白いの?」

「え、アスぺちゃんは面白くなかったの?」

「面白かったよ。」

「やっぱり面白いんじゃん。」

「でもどこが面白いの?」

「え・・・?」

「私は海のシーンが面白かったよ」

「あ・・・そうだね。」

いじりに対処できない

【食事中】

友達「どんだけ食べるの?人間掃除機みたい。」

アスぺ「人間掃除機って何?」

「掃除機のように何でも吸い込む人間のことだよ。」

「見たことないな。」

「そんなの存在しないよ。」

「じゃあ何でわかるの?」

「どういうこと?」

「 人間掃除機に似ているって何でわかるの?」

「え・・・」

自分に言ってるのかが分からない

【ショッピング中】

友達「ねえ、これ可愛い?」

アスぺ「可愛いと思うよ」

「本当に?じゃあこれ買おうかな?」

「・・・」

「なんで無視するの?」

「え?無視してないよ。」

「買った方がいいかな?って聞いてるんだよ?」

「買おうかなって言ってただけだよね?」

「買おうかな?ってのはあなたに言ってるんだよ。」

「???」

パターンがある?

この例を見て、アスペルガーを抱えた人の会話にはパターンがあるということに気づいた人はいませんか?

アスペルガーの会話パターンとは、相手の話した単語に正確に返しているということです。

会話の例をよく見ると、受け取っている意味は違えど言葉の意味に関してはしっかりと理解しているのが分かるかと思います。

ただし、言葉の裏の意味が理解できずに自分の頭の中で矛盾が生じたり、相手の想定している会話の流れに追いつかないということがよくありますね。

人によって会話のペースは様々ですが、アスペルガーの人の会話パターンは発言した言葉に対して正確に返答をするので、人によっては面倒くさいと捕らえられてしまうかもしれませんね。

【アスペルガーの話し方の特徴】の記事はこちら

アスペルガーはとんちんかん?

アスペルガーを抱えた人はいわゆる「とんちんかん」なのか?という話ですが、決して的外れな解釈ばかりをしている訳ではありません。

会話に対する理解は苦手と言えますが、言葉に対する理解は普通の人と同じレベルです。

つまり、会話をする相手が正しい言葉選びをすれば、アスペルガーを抱えた人との会話も問題ありません。

よくアスペルガーの人はとんちんかんで辻褄が合わないと言う人がいますが、辻褄が合わないのは相手が正しい言葉遣いをしていないからというケースも考えられるのです。

成り立たない会話の対処法

会話が成り立たないアスペルガーの人にはどのような対処が必要なのか解説していきます。

会話が成り立たないということは、自分と相手の解釈にズレが生じているということなので、本人が思っている以上に細かく会話内容を説明する必要があります。

もし早口で言葉を喋ってしまっているのであれば、会話のペースを落とすのも対処法としては正解です。

アスペルガー症候群の人は一度頭の中で疑問を抱えてしまうと、会話が進むにつれてどんどん意味が分からなくなってしまうので、一度連れてしまった解釈を修正することは難しいのです。

なので会話のペースを落とし、 疑問があったらすぐに質問ができるようなタイミング(間)を作ってあげるという配慮が必要になります。

そこまでするのは面倒くさいと考える人もいるかもしれませんが、会話の中で、意味のある間を作るのは成り立たない会話にならないために出来る一つのテクニックと言えます。

もしアスペルガー症候群の人と会話が成り立たないとしたらそれは会話をしている相手の技術不足だということも考えられますのでお互いが配慮して言葉選びをしていくと良いですね。

以上、【アスペルガーの会話の例とパターン】でした。

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