アスペルガーは暴力的で攻撃性が高いって本当?

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この記事は発達障害児の保育経験があり、社会福祉主事任用資格を保持した保育士が執筆しています。

こんにちは、現役保育士です。

皆さんはアスペルガー症候群を抱えている人は暴力的でトラブルが多いという話を聞いたことはありませんか?

今回はアスペルガーの抱えている人の暴力性や攻撃性について詳しく解説していきたいと思います。

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アスペルガーは暴力的?

そもそもアスペルガーが暴力的だという話は本当なの?と疑問に思う方もいるかと思いますが、残念ながらそれは事実です。

最近の研究結果でも、アスペルガー症候群を抱えている人は暴力的な傾向があるという結果が出ています。

しかし、もちろん全てのアスペルガー症候群の人が暴力的というわけではありません。

それでは具体的な例としてアスペルガーを抱えている子供の場合と大人の場合で分けて解説していきます。

子供の場合

私が学童保育所の職員をしていた頃、アスペルガー症候群の小学生を指導していましたが、どちらかと言うと暴力的というよりも感受性が乏しいというイメージでした。

障害を持たない普通の子どもたちは、自分の気に入らないことがあったり我慢ができない事があると、当然トラブルになりますが、

アスペルガーを抱えた小学生はそもそも周りの子供たちに興味を持っていない様子でした。

例えば、アスペルガーを抱えた子が読んでいた絵本を横取りされた時、普通の子供であれば怒って喧嘩に発展することが多いですが、その子の場合顔色ひとつ変えず新しい本を読み始めるのです。

一見大人の対応のようにも見えて平和的な解決にも思えますが、その子にとって周りの子供達は、ただの物と一緒で、読んでいた絵本が誰のせいでもなく「ただ消えてしまった」としか思っていない様子でした。

トラブルに発展しないのは良いことですが、アスペルガーの特徴の一つである【相手の気持ちがわからない】というのは相手の悪意も感じ取れないということなので、逆に殴り合いのケンカやトラブルが少なかった印象があります。

大人の場合

アスペルガー症候群の抱えているのが大人の場合も子供の場合と同様、必ずしも暴力性が高いとは限りません。

しかし子供の時と比べて社会性の発達がある程度進んでいるケースが多いため、他人に対しての怒りを感じやすく、物事を暴力で解決しようとする傾向もあるのは事実です。

特にアスペルガー症候群を抱えた人は対人関係でストレスを感じやすいので、日常的に不満を抱えている可能性があります。

人と関わるのが億劫な人も多いですが、 家族や恋人など心を許した身近な存在に対しては抱えたストレスを発散するために暴力的になってしまうケースもあります。

本人もストレスを発散しようとして意図的に暴力を奮うわけではありませんが、必然的に健常者よりも暴力性は高いと言えるでしょう。

【アスペルガーがキレる原因】日常的なストレスが半端じゃない!

攻撃性は高くない!

ここまででアスペルガー症候群の暴力性について解説してきましたが 、暴力的といえども殴ったり蹴ったりする欲求が高いというわけではありません。

勘違いをしている人が多いのですがアスペルガーを抱えているからといって、

「相手が憎い」とか「人を傷つけたい」と言う気持ちがあるという認識は間違いです。

つまりアスペルガーを抱えた人は暴力性が高い傾向はありますが、攻撃性は高くないということです。

ではなぜ暴力を振ってしまう傾向があるのか?という話ですが、想像力が低いことが主な原因です。

アスペルガー症候群を抱えていると、相手の気持ちが理解できないため、

「ここで手を出したら相手がどのような気持ちになるのか」

「自分にとってどのようなデメリットがあるのか」を事前に察することができないということですね。

言うならばアスペルガーの人が持つ純粋な素直さが悪い方向へ働いてしまっているということです。

しかし先ほども話したように、全てのアスペルガーを抱えた人が攻撃性が低いとも言えません。

そもそも人格や性格を形成するのは 育った環境に大きく左右されますし、意図的にストレスを発散しようと身近な人に対して攻撃する人も中にはいるでしょう。

暴力性を無くすには

アスペルガー症候群の暴力性をなくすにはどうすれば良いのかという話ですが、基本的には暴力を奮う事で

【自分にどのようなデメリットがあるのか】を想像させることが重要になります。

ただし、健常者とは違い言葉で説明しただけでは実際にどのような未来が待っているのかを予測するのはアスペルガーの人にとって難しいです。

なので、なるべく具体的な例を挙げて身振り手振りを加えながら解説したり、実際に経験させて自分の何がいけなかったのかを自覚させることが重要となります。

重要なのは、相手の気持ちを理解させることではなくアスペルガーを抱えた本人にどのような悪影響があるのかというのを自覚させることです。

どんな対応が必要?

アスペルガーの暴力性を改善するためには、自分にどのようなデメリットがあるのかを理解させる必要がありますが、具体的にどのような対応を取れば良いのでしょうか?

子供の場合は単純で、暴力を振ったらおやつを与えないなどの罰を与えるのが非常に効果的です。

感情的になって他者を攻撃するような仕草を見せたら、少しかわいそうですがあからさまに「これが原因で罰を受けているんだよ」と子供に言い聞かせましょう。

大人の場合は、少し厄介で、そう簡単には暴力を振るうことで自分に起こりうるデメリットを自覚させることができません。

なので、アスペルガー症候群の理解が深い身近な人と協力して対応するのが良いかと思います。

それが話し合いになるのか罰を与えることになるのかは、人によって変わってきますが、どちらにせよ諦めるのではなく改善をする方向で考えていけたら良いと思います。

以上、【アスペルガーの暴力性と攻撃性】についての記事でした。

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